「唇がピリピリ」
「唇がムズムズ」
口唇ヘルペスの再発に苦しまれている方はこのキーワードを聞いたら嫌な思い出が蘇ってきますよね!
私カメ助も年に数回、口唇ヘルペスを発症し、苦しんでおります…!
今回は長年口唇ヘルペスに苦しめられているカメ助が、以前製薬会社で働いていた時の知識や、自らお医者さんに受診した際の経験などをふまえて口唇ヘルペスを早く治す方法について記事に致しました!
同じように苦しんでいる方の少しでもお役に立てればと思います!
口唇ヘルペスってどんな病気??
まずは口唇ヘルペスがどのような病気なのか?
について書いていきます!
口唇ヘルペスの原因
口唇ヘルペスの原因は単純ヘルペスウイルスによる感染です。
単純ヘルペスウイルスは1型と2型の2種類が存在してますが、口唇ヘルペスの多くは1型が原因で乳幼児期に家族から初感染することが多いと言われています。
日本においては単純ヘルペスウイルス1型を保有している人は非常に多く、2002年の久山町で行われた調査では50-59歳では保有率が70%を越えています。
しかし18-29歳の若い方々では50%を切っていて保有者は減っていることも分かっています。
一方単純ヘルペスウイルス2型は性感染症と関連したウイルスで、性器周辺に病変をもたらすことがわかっています。オーラルセックスにより口周囲に感染を起こした場合には口周辺に発症することもあります。
ポイント
口唇ヘルペスはウイルス感染症。多くの日本人が保有しているが若年者では減っているので若年者の新規感染を防ぐ必要がある。
口唇ヘルペスの再発
口唇ヘルペスが厄介なのは再発を繰り返す点です。
初感染を起こした際に1度治療して終わりならいいのですが、ヘルペスウイルスは一度感染すると、神経節(神経の途中で神経細胞が集まっているところ)に潜伏し体内に一生涯ウイルスが存在することになります。
いつもは潜伏しているウイルスが再度暴れだすきっかけは免疫の低下です。
免疫低下=再発に繋がる因子をまとめておきます。
再発の原因となる因子
・風邪
・インフルエンザなどの感染症
・疲労
・紫外線
・胃腸障害
・月経
・外傷
・ストレス
・老化
・薬剤の使用(ステロイド、免疫抑制剤など)
カメ助は風邪をひく度に発症して苦しめられています。
口に華が咲いたように皮膚病変が現れるため「風邪の華」、「熱の華」とも呼ばれます。
口唇ヘルペスの2次感染
口唇ヘルペスはウイルス感染症なので、保有者は他人にうつさないように気をつける必要があります。
特に配偶者やお子さんなどのご家族は感染のリスクが高くなるので気をつける必用があります。
先ほどお伝えしたとおり、若年者は保有者が少ないため大人になってから感染するリスクがあります。
大人になってからの発症は乳幼児期の感染に比べて重症化しやすいため防ぎたいところです。
感染を防ぐための方法をまとめます。
感染予防の方法
・水疱やただれが起きている患部は触らないようにし手洗いを十分に行う
・タオルを共用しない(洗濯は他の洗濯物と一緒で良いが日光に当てて乾かす)
・食器を共用しない(洗剤でしっかり洗う)
・性行為/キスなどをしない
口唇ヘルペスを早く治すための治療とは!?
口唇ヘルペスをなるべく早く治すための治療についてご紹介していきます。
初感染の場合、感染から治療開始までの時間が短いほど、その後の再発が少なくなると言われています。
また再発の場合もより早く治療を開始した方が重症化を避けることが出来ると言われています。
つまりどちらにしても口唇ヘルペスは早期治療が重要ということになります。
治療の方法はまず①病院に行く②薬局で市販薬を買うに分けられます。
そして治療薬は①内服薬②外用薬に分けられます。
初発の場合は市販薬は購入できないことになっているため皮膚科への受診が必要です。
しかし私は下記から初発・再発に関わらず病院への受診をおすすめします。
感染予防の方法
①病院で出してもらえる医療用医薬品の方が高い効果が期待できる
②病院にいけば最新の治療について教えてもらえる
③自分では口唇ヘルペスと思っていても違う病気の場合がある
④医療用医薬品の治療は治療費の7割を税金で負担してもらえる(自己負担は3割)
それでは治療薬についてご紹介していきます。
口唇ヘルペスの治療薬―内服薬
まずは内服薬からご紹介していきます。
現在口唇ヘルペス治療に使える内服薬は、医療用医薬品(病院で処方箋を発行してもらわないと手に入らない薬)しかないため薬局などでは購入できません。
外用薬より有効性が高いと言われているためやはり皮膚科に受診して内服薬をもらうのをおすすめします。
現在日本で使える内服薬は3種類あります。
ゾビラックス®錠/顆粒
ゾビラックスは抗ヘルペスウイルス薬の中で1番にはじめに使われ始めた薬で使用実績が1番ある薬剤となります。
製品名がゾビラックス、薬に含まれている成分名はアシクロビルといいます。
アシクロビルはヘルペスウイルスのDNAに入り込み、ウイルスが増殖するのを防ぎます。
つまり既に増殖したウイルスを殺す作用ではないため、増殖する前の早い段階での治療が重要となります。
小児は1日4回服用ですが、成人(15歳以上)の場合、1日5回服用となります。
仕事や学校があると飲み忘れてしまうケースが心配ですが、アシクロビルという成分は体内への吸収効率が悪いため、小刻みに飲まないとウイルスまで薬剤が届け切らず最大の効果が見込めないことになるため、用法通りに服用することが重要です。
バルトレックス®錠/顆粒
そんなアシクロビルの吸収効率の悪さを改善するために開発されたのがバルトレックス(成分名はバラシクロビル塩酸塩)です。
バルトレックスは先ほどご紹介したアシクロビルとウイルスに対する作用は同じです。しかし体内に取り込まれやすい化学構造に改良されているため服用回数は1日2回(体重10kg未満の小児の場合は1日3回の服用が必要)で済みます。
これなら朝1回、夜1回で済むので社会活動に合わせて飲み忘れなく服用できそうですね。
ただこちらの薬剤の欠点は錠剤が大きいこと。
喉が小さい方や飲みこむ力が落ちているお年寄りは飲み込みにくいかもしれません。
ファムビル®錠
1番新しい内服の薬剤はファムビル(成分名ファムシクロビル)です。
もともと帯状疱疹の薬剤でしたが2013年より口唇ヘルペスにも使用できるようになりました。
こちらは1日3回服用なのでバルトレックスよりは服用回数が多いものの、錠剤の大きさが改善されて小さくなっています。
服用回数を選ぶか、錠剤の大きさを選ぶか、お医者さんにご相談ですね。
内服薬の薬価比較について
口唇ヘルペスは薬のお値段が少し高いのがネックと言われておりましたが、最近ではジェネリック医薬品というお安い薬が出てきています。
ご紹介した内服薬を薬価表にて比較してみます。
基本的にはどの薬剤も5日間服用致しますので、5日分の値段表記です。
薬剤名 | ゾビラックス®錠200mg | バルトレックス®錠500mg | ファムビル®錠250m |
薬価 | 95.10円/錠 | 359.60円/錠 | 380.70円/錠 |
1日薬価 | 475.50円(1日5錠) | 811.20円(1日2錠) | 1,142.10(1日3錠) |
3割自己負負担 | 713.25円 | 1,078.80円 | 1713.15円 |
新しい順番にお値段が高くなりますね。ジェネリック医薬品のお値段も比較しておきます。
薬剤名 | アシクロビル®錠200mg | バラシクロビル®錠500mg | ファムシクロビル®錠250m |
薬価 | 32.30円/錠 | 136.20円/錠 | 150.40円/錠 |
1日薬価 | 161.50円(1日5錠) | 272.40円(1日2錠) | 451.20円(1日3錠) |
3割自己負負担 | 242.25円 | 408.60円 | 676.80円 |
かなりお安くなりますね。
医師によってはジェネリックを推奨しない方もおられるので、ご相談するのがよいかと思います。
口唇ヘルペスの治療薬―外用薬
口唇ヘルペス治療は内服薬で内側からウイルスを攻撃しつつ外用薬を併用して患部でもウイルスを攻撃するのがおすすめです。
外用薬は3種類の薬剤が市販されています。
再発の場合しか購入できないため、薬剤師さんから「再発ですか?」と確認されたのちに購入ができます。
再発しても症状が軽い方や、ご自身での症状のコントロールが出来ている方には市販薬をおすすめできますが、不安な方は病院でも外用薬は頂けるので、専門医へのご相談をおすすめします。
また日曜日で皮膚科がお休みの時などはとりあえずドラッグストアなどで外用薬を購入して1次対応するのがいいと思います。
カメ助はネットで購入して家にストックしております。
アラセナS
アラセナSは佐藤製薬から発売されている、抗ヘルペスウイルス成分ビダラビンを含有する口唇ヘルペスの再発治療薬です。
軟膏タイプとクリームタイプから選ぶことが出来ます。
お値段は約1000円。取り扱っている薬局も多くカメ助もよく使っています!
アクチビア軟膏
アクチビアは抗ウイルス成分アシクロビルを含有する口唇ヘルペスの再発治療薬です。アシクロビルは先ほど内服薬の時にご紹介したゾビラックスに含有されている成分なので口唇ヘルペスを起こすウイルスに直接作用し、症状を改善することが出来ます。
ゾビラックスと同じGSKという会社が発売しているのも信頼がおけますね。
お値段は約1200円です。
ヘルぺシアクリーム
ヘルペシアクリームも、アクチビア同様に抗ウイルス成分アシクロビルを配合した口唇ヘルペスの再発治療薬でクリームタイプになります。
市販の医薬品としては歴史のある大大正医薬品が発売しています。
お値段は約900円です。
コンピード 唇ヘルペス用パッチ
コンピード 唇ヘルペス用パッチは治療薬ではないのですが、患部に直接貼り付けることで傷からの細菌の侵入を防ぎ、2次感染予防にも繋がります。
また女性の方はこちらを使うことでお化粧も使えます。
大事なイベントの前などに口唇ヘルペスを発症すると外見も気になるかと思うのでおすすめです。
ただ海外からの輸入品となるため、発注から1週間近くかからため事前に購入してストックしておくことをおすすめします。
口唇ヘルペスの再発を予防するには!?
ただいまご紹介してきた薬剤は全て口唇ヘルペスを発症してから使う治療薬です。
それでは再発を防ぐためにはどうすれば良いのでしょうか。
まずは口唇ヘルペスの原因である免疫力を上げることです。下記のようなことが重要になります。
口唇ヘルペスの予防
・規則正しい生活(睡眠・食事)
・適度な休息
・適度な運動
・風邪などの感染症の予防(手洗い・うがい)
そして最近では新しい予防の方法が登場しています。
それはファムビルのPIT(Patient Initiated Therapy)と呼ばれる方法です。
海外で主流となっている予防方法であり、国内でも2019年2月より国に認められ治療費が3割負担で受けられるようになりました。
具体的な方法としては先ほど内服薬としてご紹介したファムビルという薬剤を1回1000mgを2回経口投与するというものです。(通常は1回250mgを1日3回経口投与)
こちらの治療法が適用されるにはいくつか条件があります。
下記に引用いたします。
- 単純疱疹(口唇ヘルペス又は性器ヘルペス)の同じ病型の再発を繰り返す患者である(臨床症状に基づき確認する)。
- 同じ病型の再発頻度が年間3回以上の患者である(問診等により確認する)。
- 再発の初期症状(患部の違和感、灼熱感、そう痒等)を正確に判断可能な患者である。
- 再発頻度及び患者の腎機能の状態等を勘案し、服用時の適切な用法・用量が選択可能である。
希望される方は専門医にご相談してみてください。
カメ助も皮膚科の先生に再発が辛いと相談したときに教えて頂いた予防法で、次回病院に受診したときに始めようか検討しているところです。
口唇ヘルペスを早く治すために皮膚科を受診した結果!
カメ助もこの度、風邪を引いてしまい、寝込んでいたところ、くちびるがムズムズ、ピリピリと怪しくなってきました。
「早く治したい!」
という気持ちがあったものの日曜日で病院が空いていないため家にストックしてあったアラセナSを塗ってその場をしのぎ、翌日に皮膚科に受診しました。
家の近くの皮膚科にて症状を相談、以前にも口唇ヘルペスになったことを先生に伝えると
「う~ん、これはヘルペスじゃありませんね~何かのアレルギーだと思います。そうやってヘルペスと間違って市販のヘルペスの薬を塗って治らない~とか言ってる患者は多いんですよね~。ヘルペスの薬は出せません。抗アレルギー剤出しときますね~!」
え?嘘でしょ。口唇ヘルペス保有者はわかるんだよ!これは絶対ヘルペスなんだよー!!!
わしに薬をくれー!!!
なんとせっかく症状に苦しみながら病院に行ったのに薬をもらえず…
諦めきれずになんと皮膚科をはしごしました。
初めての経験です。
2軒目の先生にも同じ説明をします。
「うわ~これはヘルペスの症状がかなり出ちゃってますね!辛かったでしょう。少しでも早く内服薬を飲んだ方が良い!内服薬と外用薬を出しておくのですぐに飲んでくださいね」
先生ありがとうございます!!!(同じ医者でこんな差があるのか、さっきの●ブ医者許さねえ!!笑)
さらに再発で困っていると相談すると
「それは免疫力が落ちているかもしれないですね。再発を繰り返す患者さんにはPITという最新治療もあるので今後検討していきましょう。今日は免疫力を上げるために漢方の補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を出しとくから様子を見ましょう」
先生ありがとうございます!!!一生ついていきます!!!
という感じで2軒目で良い先生にあたりました。
あとあとそれぞれの病院の口コミを見ていると、それなりのことが書いてあり、事前に口コミを見ることは大事だなと思いました。笑
今回出して頂いた薬は
・バラシクロビル
・アシクロビル軟膏
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
家に帰ってすぐに飲んだのですが、その時点ですでに唇に水泡ができてしまっておりました。
時すでに遅し。
しかし、その後しっかり薬を飲んだことと、塗布したことで、いつもより重症化はしなかったです。
痛みやかゆみもいつもよりましでした。
そしてこの補中益気湯(ほちゅうえっきとう)のおかげなのか体が元気な気がします。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)は市販もされているのでおすすめです!
今回は予兆が日曜日であったことと、初めに受診した病院でヘルペスを見落とされたことで治療が遅くなりました、やはり早期に治療することが重要だと再認識致しました。
口唇ヘルペスは現在の医療では根治できず、一生付き合っていく病です。
この先、他人にうつさないために、また自らの病気を人に伝えるためにも正確な情報を知っておく必要があります。
今回の記事が口唇ヘルペスで悩まれている方々に少しでもお役に立てれば嬉しいです。