僕の会社、台風が来ているにも関わらず、出社指示が出ている…
出社して万が一ケガでもしたら労災はおりるのかな??
本記事ではこのようなお悩みにお答えします。
毎年のように日本列島を襲う台風。
例年、暴風雨の中でも出社指示が出る会社がありお困りの方も多いですよね。
万が一出勤してケガをした場合、労災はおりるのか?
という疑問点にフォーカスをあててご紹介致します。
結論としては労災はおりない可能性が高いです。
一方、会社や管理者に「安全配慮義務」が生じるので万が一のことがあると、民事上の損害賠償請求の対象になることを知っていると、会社と折衝することができるでしょう。
上記の内容を最近の大型台風の現状などを踏まえながら解説していきます。
関連記事メンタルを守ろう!メンタルヘルスマネジメント検定資格取得のススメ!
台風による労災が注目された台風「ハギビス」の被害状況は?
2019年10月12日~13日にかけて史上最強とも言われる台風19号「ハギビス」が日本列島を襲いました。
総務省消防庁の際外情報によると10月13日午前6時の被害状況は
・死者3名
・行方不明者13名
・負傷者108名
・建物被害194件
となっています。
また全国で約24万人の方が避難し、河川の氾濫も起こりました。
台風などの災害時には2次災害にも注意が必要です。
台風の2次災害の注意点をご紹介します。
台風の2次災害の注意点について!
まず1次災害と2次災害の違いですが
1次災害:台風の暴風や大雨により家屋が破損するなどの直接的な被害を指します
2次災害:暴風や大雨から派生して現れる災害でがけ崩れや土石流が当てはまります
下記リンクにがけ崩れや土石流の対策が詳しく書かれていますので参考にしてください。
>>大雨による災害に備え、二次災害のリスクやとるべき行動を知っておこう
そのほかに台風の2次災害として気をつけたいのは
①家屋の材木などの飛散
家屋が破損した際に出た材木などが、突風により窓をつきやぶりガラスが家中に飛散したというケースがあります。
台風後も突風が吹きやすい状態が続くようですので、被害家屋が近くで出ているようなエリアの方は窓ガラスには飛散防止フィルムなどを貼っておくと良いようです。
また屋根瓦に破損が出ている際も、修復のため屋根にのぼる行為は2次被害の原因になるのでやめたほうがよいでしょう。
②悪徳業者の登場
2011年の東日本大震災時には修理業者関連の消費者トラブルが10倍近くになったというデータがあります。
大きな災害の際には家屋の修理業者がパンク状態となり、悪徳業者がのさばる良い機会となってしまいます。
(悪徳業者)
安価ですぐにかけつけますよ~
NGO団体なので安心ですよ~
などという言葉で安心させて最終的に高額な請求をするケースがあるようなのでしつこく営業する場合には警察への対応を検討しましょう。
日本中の労働者が悲鳴をあげる台風時の出勤問題について!
前述の台風「ハギビス」の警戒情報が出ていた2019年10月11日、日本中で悲鳴が上がっていました。
それは台風時の出社指示です。
ツイッターでは「#台風だけど出社させられた」がトレンド入りし、同様のハッシュタグに「#台風だけど出社させた企業」が見られています。
下記のツイートが共感を呼び大きな反響を呼んでいます。
@aka_kenshou《拡散希望》主人が新聞配達をしています。こんな台風が来ると騒がれていても配達は無くなりません。主人に「本当に行かなきゃいけないの?」と聞いても「当たり前じゃん」と麻痺し原死ではなく自転車です。本当に死んでしまいます。助けてください。まだ小さい子供もいます。ツイートを翻訳7:29 AM・2019年10月11日新聞配達員を守ってください。固定ツイート
ツイッターがないころは泣き寝入りだった労働者側も危機的な状況を発信できることは良いことです。
労働者側も正しい知識をもとに会社と折衝することが重要だと思います。
本題の台風時の労作や、会社との折衝について解説していきます。
台風時に出勤したことで被害にあったら労災はおりる?
まずは実際に出社を余儀なくされケガをした場合に労災がおりるのか?という点です。
結論から申し上げると労災はおりない可能性が高いです。
労災とは労働安全衛生法によると
「業務に起因して労働者が負傷し、疾病に罹り、または死亡」
することとされています。
この文言だけ見ると台風時に会社指示で出社してケガをしたら業務に起因していると言える気もしてきます。
しかし労災に関しては実際の保険給付に関して、労災保険法に詳しく規定されています。
労災が労働基準監督署に認定されるためには以下の2点が両方とも認められることが必須です
①業務遂行性:労働者が企業の支配ないし管理監督下にある状況で災害が起きていること
→仕事中に労災にあって被害を受けた
②業務起因性:業務にともなう危険が現実化した結果、災害が起きていること
→仕事が原因で労災にあって被害を受けた
台風などの災害時のケガにかんしては①の業務遂行性には当てはまるものの②の業務起因性には当てはまらないため労災が下りる可能性は低いということになります。
災害時のケガ | |
業務遂行性 | 〇 |
業務起因性 | × |
以下のような通達が出ているようです。
暴風雨等の天災地変は「それ自体としては業務と無関係な自然現象」で、
労働者は、事業主の支配下にあるか否かに関係なく危険にさらされます。
ですから「たとえ業務遂行中に発生したものであっても、一般的には業務起因性は認められない」
(昭49.10.25基収第2950号)
それじゃあ泣き寝入りなんですかい??
いえ、安全配慮義務について知っておきましょう!
安全配慮義務については知っておくべき!
労災はおりませんが別の観点を知っておきましょう。
使用者は労働契約法の第5条において「安全配慮義務」を負っています。
内容は
「使用者は、労働契約にともない、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」
というもので民事上の損害賠償責任を負います。
安全配慮義務の対象となる労働者は以下です。
①正社員
②パート・アルバイト
③派遣労働者(派遣元、派遣先の両方の会社が負う)
④下請け労働者(元請けの指導者が業務指示を出しているような関係性の場合)
「俺はアルバイトだから守られていない」
「俺は派遣労働者だから守られていない」
なんてことはありません。堂々と主張してください。
また安全配慮義務を怠った場合に損害賠償責任を問われる可能性がある使用者は以下です。
①個人事業主
②法人
③社長など取締役
④管理監督者(部課長、工場長など)
「会社が責任取ればいいよ~」
なんてことは言ってられません。
管理職の人はしっかり知識を持って部下に指示出しをしないと部下も自分も守れません。
もちろん管理監督者自身も安全配慮義務の対象となる労働者の1人なので正しい知識をもとに使用者と折衝することが重要です。
今後も日本列島には災害が襲い掛かることが多々あると思います。
少しでも被害が少なるなることに繋がればと思います。
最後に、私も勉強しているメンタルヘルスマネジメント検定資格では、メンタルのことだけでなく本日ご紹介したような労災や労務上の法律について学ぶことができます。
自分を、そして大切な同僚を守るためにもご興味ある方は勉強してみてください。
関連記事メンタルを守ろう!メンタルヘルスマネジメント検定資格取得のススメ!
おすすめ記事サラリーマンの副業にブログをオススメする理由を公開!スキマ時間活用法も!